医者リストより、たった一人の名医を。
最近、人気のキーワードはセレクト要素の含まれるものへ転換しているような気がする。
「医者」から「名医」
「ラーメン」から「うまいラーメン」
「カフェ」から「おしゃれなカフェ」へ
これは「タウンページが検索できるようになって便利だなぁ」と思っていた頃にはまだなかった現象と言える。ブログの影響で、ウェブ上には形容詞つきの業種名がたくさん見られるようになったのが原因だろう。タウンページは、赤坂にはケーキやさんは何軒あって店名と住所はこれ、ということは教えてくれるが、赤坂にある「しろたえ」のチーズケーキは安いのにおいしいということは教えてくれない。
そしてこれは、ショッピングサイトにも言えることだ。
例えば賃貸住宅の情報サイトはごまんとある。殆どの大手不動産会社のウェブサイトで物件が探せるようになった。便利な時代になったものだ。しかし私が次部屋を借りるときお世話になるのは物件数では完敗の「東京R不動産」かも、と思っている。
忙しい社会人にとって、「情報を網羅」系のウェブサイトは非常に疲れるものなのだ。なぜか? 本当のことを知るためには実際見に行かなければならないし、意を決して見に行っても全然よくない物件かもしれないからだ。そんな経験が一度でもあると、条件で絞り込み、間取り図を見たところで、「過度の期待をしないように」なのか分からないが、引越後の具体的なイメージがわいてこないのである。
しかし東京R不動産が紹介している物件は、私がまだ引越資金を貯め始めてもいないのに頻繁に訪問してしまうほどの魅力がある。なぜかというと物件をすでに選んでくれていて、その選び方が私にとてもしっくり来ているからなのだ。マンションの屋上にぽつんと建てられた日当たりの良いワンルームだったり、家の前に置かれた自販機と兄弟のように見えるかわいらしい一軒家だったり。どの物件も私の想像力を豊かにしてくれる。
つまりこれは、節約できる時間と、物件を選ぶセンスを売っているのではないだろうか。
ネット上には、もうすでに、モノが氾濫している。
しかし、スーパーマーケットでの買い物のようにすぐに手にして確かめることはできなくとも、「このリンゴ、すごく甘そう! 」とわくわくして購入したいものだし、良いものを購入したいという思いが消えることはない。
たくさん見せる時代から、厳選したものを紹介するという時代になっていってるんじゃないかなぁと感じる。私のようにあまり時間のない、迷える現代人のためにも、そのようなサイトが増えること強く望みます。