10/22/2005, 13:37 | Category: コラム
インターネットにおいて、情報にお金を払う時代はくるのだろうか。
わたしはこの半年、宣伝会議主催の編集・ライター講座に通っていた。先日の修了式では猪瀬直樹氏の講演があったのだが、猪瀬氏はライターを目指す私たちが月刊誌・週刊誌をあまり読んでいないことに激怒していた。「もっと自分に投資しなさい。タダの情報にはろくなものがない。情報は、買うもんなんだ」と。
確かにインターネット上では情報が無料で提供されていることが多い。収益を上げるには通販を絡ませることが多く、優良な情報というのは大抵、通販のそばにある。
その講演の帰りにふらっと寄ったワコールアートセンターでは、「買える」アート作品の展示をやっていた。現実的な値のついた作品群を前にして考えることといえば「欲しいか、欲しくないか」だ。一つの展示会のテーマとしては良いのかもしれないが、なんだかあまりにも野生的な感じがした。そして、展覧会も販売と絡ませないとだめなのかな、と感じた。(アート作品に関して言えば、値段が先行して作品の価値が決まってしまうのがこわいのでできたら値段付けはオークションのような方式がいいんじゃないかなとも思った。)
そういえば先週フットサルの帰りに寄った上野公園では「ヘブンアーチスト」祭りが開催されていた。ヘブンアーチストというのは東京都から路上でパフォーマンスをするのを認められた人たちのこと。ただ面白がってもらうことだけを目的にしてパフォーマンスする人たちのパワーってやっぱりすごい。私も頑張らなくっちゃ、と気合をいれた覚えがある。
何かの本で、家の前に花を飾ることで通行人が良い気持ちになる、これも経済効果だ、と読んだことがある。何もかも直接お金に繋げなければいけないのだろうか、という疑問が湧いた。逆に言うと直接お金につながらないものは、そんなにいらない物だろうか?ということだ。
誰かを癒すもの、勇気付けるものや、疑問を解消するもの、知識がつくもの
そういった些細なものが、公園のヘブンアーチストのようにネット上にはあふれている。
路上で歌う少年に勇気付けられたら、帽子に小銭を入れていくように、純粋に素敵なものに対してそれをやめないでもらうために、私は私ができることをしたいなぁと思った。ヘブンアーチストには拍手を、面白いブログにはコメントを、使える情報には小銭を。
そんなわけで、使える情報の発信者に対価を支払うための手段の一つとして、はてなの「はてなポイント送信機能」のようなサービスがもっともっと広がることを期待しています。
アドセンスこそがWeb2.0的だという人がいるが、私は必ずしもそうだとは思わない。
09/09/2005, 11:32 | Category: コラム
最近、人気のキーワードはセレクト要素の含まれるものへ転換しているような気がする。
「医者」から「名医」
「ラーメン」から「うまいラーメン」
「カフェ」から「おしゃれなカフェ」へ
これは「タウンページが検索できるようになって便利だなぁ」と思っていた頃にはまだなかった現象と言える。ブログの影響で、ウェブ上には形容詞つきの業種名がたくさん見られるようになったのが原因だろう。タウンページは、赤坂にはケーキやさんは何軒あって店名と住所はこれ、ということは教えてくれるが、赤坂にある「しろたえ」のチーズケーキは安いのにおいしいということは教えてくれない。
そしてこれは、ショッピングサイトにも言えることだ。
例えば賃貸住宅の情報サイトはごまんとある。殆どの大手不動産会社のウェブサイトで物件が探せるようになった。便利な時代になったものだ。しかし私が次部屋を借りるときお世話になるのは物件数では完敗の「東京R不動産」かも、と思っている。
忙しい社会人にとって、「情報を網羅」系のウェブサイトは非常に疲れるものなのだ。なぜか? 本当のことを知るためには実際見に行かなければならないし、意を決して見に行っても全然よくない物件かもしれないからだ。そんな経験が一度でもあると、条件で絞り込み、間取り図を見たところで、「過度の期待をしないように」なのか分からないが、引越後の具体的なイメージがわいてこないのである。
しかし東京R不動産が紹介している物件は、私がまだ引越資金を貯め始めてもいないのに頻繁に訪問してしまうほどの魅力がある。なぜかというと物件をすでに選んでくれていて、その選び方が私にとてもしっくり来ているからなのだ。マンションの屋上にぽつんと建てられた日当たりの良いワンルームだったり、家の前に置かれた自販機と兄弟のように見えるかわいらしい一軒家だったり。どの物件も私の想像力を豊かにしてくれる。
つまりこれは、節約できる時間と、物件を選ぶセンスを売っているのではないだろうか。
ネット上には、もうすでに、モノが氾濫している。
しかし、スーパーマーケットでの買い物のようにすぐに手にして確かめることはできなくとも、「このリンゴ、すごく甘そう! 」とわくわくして購入したいものだし、良いものを購入したいという思いが消えることはない。
たくさん見せる時代から、厳選したものを紹介するという時代になっていってるんじゃないかなぁと感じる。私のようにあまり時間のない、迷える現代人のためにも、そのようなサイトが増えること強く望みます。
08/27/2005, 23:36 | Category: コラム
新しいオフィスからは国会議事堂の頭が見えます。だからというわけではないのですが、9/11に控えた総選挙に国民の一人としてどんな行動を起こせば良いのか、非常に悩むところです。それにしても、ボーっとテレビを見ているだけでは、判断材料があまりにも少ないと思いませんか。今回の焦点になっている郵政民営化法案に関しては、どんなメリットがあるのか、反対している人はどんな考えでそうしているのかということがよく分かりません。多くの人が幸せになるためにはどのような考えを支持すべきなのか。そして曖昧な気持ちで投票するのは本当の意味で「選挙に参加した」とはいえないのではないのでしょうか。
そこで、今回は新しい角度から日本の行方を考えてみようと思い、8月頭にリリースされたYahoo!JAPANの翻訳検索を使ってみました。これは検索ボックスに入力したキーワードを英語、中国語、韓国語に翻訳して検索し、検索結果を日本語で返してくれるという面白いサービスです。「郵政民営化」と検索すると、各国のニュースサイトが検索にひっかかりました。しかし、日本のそれと同じように、誰かの意見を交えず伝えているものが殆どで、個人的な意見が述べられているページは数えるほどしかヒットしませんでした。せっかくの機会でしたが翻訳検索はほとんど役に立たなかったのです。
翻訳検索がもっと面白いサービスになるために必要なのは、いろいろな国の個人的な意見をもっと簡単に見られるようにすることではないかと思います。インデクスの量をもっと増やすということは大前提として、スラングや独特の言い回しに対応するための翻訳技術がもっと向上したらなぁということです。
それにしても、日本の政治に関する世界の捉え方だけでなく、「本場のキムチの作り方」や、「シン・シティ」のレビューがいとも簡単に検索できる時代がすぐそこまで来ているというのは、目の覚める思いですね。そう、そんな些細なことで、世界はこんなに広かったんだということを改めて認識してしまうんじゃないかという予感がするのです。
結果として、現段階では使い物にならない翻訳検索ですが、私はかなりの期待を持ってその進化を見守って行きたいと思います。
05/25/2005, 12:11 | Category: コラム
アクセスログを見ていると、気付くことがあります。それは、検索されたキーワードの中でビッグワードの比率はそこまで高くなく、逆にその他の部分では1%以下のキーワードがたくさん並んでいるということです。
これは昨年秋頃から話題になっている「ロングテール」が、SEMの世界でも現れているということになります。
ロングテールとは、なんでしょうか。これはいわゆる「ニッチマーケティング」の考え方です。
当初のITビジネスは、たくさんの人が要望している事柄に対してサービスが成り立ってきました。しかし現在では、ユーザーの細かい要望を拾っていくだけでも大きな市場があります。例えば、CDショップで売れているのはランキングに入っているようなCDばかりではありません。多種多様のCDが並び、多種多様のCDが売れています。売上枚数の多い方からグラフにしてみると、そのグラフはゆるやかに減っていくのではなく、あるところで急降下し、その後猫のしっぽのように細く長く伸び始めます。これが、ロングテールの正体です。
そのあまりにも長いしっぽをうまく取り込むことができれば、胴体と同じかそれ以上のお客さんを誘導することが可能になるため、現在、非常に注目されています。
さて、これをSEMの世界に置き換えると、検索キーワードがそれにあたります。ビックワードで上位表示しているけれど、とりのがしているような感じがするのはそのせいです。
現在、たった1語で検索する人は減少傾向にあります。自分の欲するものをなるべく少ない検索回数で見つけるために、限定するようなキーワードをどんどん追加して検索します。結果、ビッグワードのみで上位表示しているサイトが、ある単語を含まないせいで充分見込み客となりうるユーザーを逃してしまいます。
ビッグワードで上位表示していれば安心という大ざっぱな戦略では捉えられなくなってきているというのがSEMの現状です。逆に、SEO、リスティング広告に取り組む際、ロングテールを意識することでもっと効果的なプロモーションができるようになるのです。
03/23/2005, 15:13 | Category: コラム
検索エンジンは来たるべきPodcasting(を代表とするボイスブログ)の波に対応できるのだろうか。
アメリカではYahoo!もGoogleもビデオ検索を公開しているが、人間が書いたサマリーや字幕機能のために用意されている文字を検索しているようだ。Podcastでは素人が声を直接録音しているだけなので字幕なんてない。サマリーから検索するのも時代遅れな感じがする。音声をテキストに変換させる技術ってあるのだろうか・・・と思っていたらもうすでにアメリカにはそういうサービスを提供しているサイトがあった。blinkx.tvではテレビの音声をテキストに変換し、検索できるようにしている。テレビ番組の内容が検索できてしまうなんて、(技術的に難しいかどうかは分からないけど)これってものすごいことですよね。
そういえば、blinkxの検索結果は新しい順に並んでいるのだが、もしウェブ検索と同じようにアルゴリズムが関係してくるとしたら、声のデータもマークアップされるのだろうか。(強い感じで読んでいるところは重要、とか?)そうなると、うまく抑揚をつけて、整頓してしゃべれる人の語り口が検索エンジンからは好かれるということになり、ウェブの世界でも、リアルの世界でも、論文の形式が最も素晴らしいということになるのだろうか。SEOはウェブサイトの構成をある程度制限してしまうだけでなく、既に「会社や商品の名前の付け方」などリアルの世界にも影響を及ぼしているが、ついには人間のしゃべり方まで変えてしまうのだろうか・・・?
などと考えすぎてしまったが、こういうことにならないようにGoogleのPageRankに代表される「人気度を測るシステム」の性能が上がっていく可能性がある。そのうち、クールなFlashサイトが検索結果に現れるようになるかもしれない。
02/28/2005, 18:03 | Category: コラム
検索エンジンは日々、変化しています。検索結果の順位付け1つとっても、決まったところにとどまっていてはくれません。
弊社では「検索エンジンを使ったプロモーション」の1つとして、ウェブサイトを検索エンジンの上位に表示させるという、いわゆる「SEO」のサービスも行っておりますが、1年前まではGoogleだけで効果検証をしていれば良かったのですが、今はYahoo!JAPAN、MSNなどの順位も気にしないわけにはいかなくなりました。それに加えて最近では、検索結果が毎月がらりと変わってしまうという事態になっています。なぜかというと、先月は評価されていた部分が、1ヶ月経つともう評価されなくなってしまうからなのです。
たくさんの検索エンジンに対応させなければならないし、対応させたと思ったらすぐにまたシステムが変わってしまう。この追いかけっこを終わらせるためにはどうしたら良いのか・・・。
そこで1つの結論に達しました。
「目的地に先回りするしかない」と。
検索エンジンの目的とは何でしょう。それは、無数にあるウェブページの中から、検索エンジンを使う人が探している情報が掲載されているページを見つけ出して分かりやすく提示することだと思います。殆ど有益な情報がないページは、中の構造がどれだけ検索エンジンに好かれるようになっていても、検索結果からは排除される必要があります。逆に、有益な情報があるサイトは、構造的にそこまで悪くなければ上位に表示されなければなりません。
つまりSEOは、今あるウェブページのタグを書き換える技術ではなく、サイトを訪れる人にとって有益な情報がたくさんつまったウェブサイトにしていくという技術になっていくと私は考えます。
SEOをやってくれるという業者にウェブサイトを預けたら、なんだか良いサイトになって戻ってきた。これは、一歩未来にいるSEO業者であると考えて良いでしょう。